行列
行列式の明示公式
n次正方行列Aについて、
\det(A) = \sum_{\sigma \in S_n} (\rm{sgn}\ \sigma) \prod_{i=1}^{n} a_{\sigma (i), i}
S_nは置換群であり、n文字の置換全体を表す。
2次正方行列の行列式
\begin{vmatrix}
a & b \\
c & d
\end{vmatrix} = ad - bc
3次正方行列の行列式
\begin{vmatrix}
a & b & c \\
d & e & f \\
g & h & i \\
\end{vmatrix} = aei + bfg + cdh - ceg - bdi - afh
転置行列の行列式
正方行列Aについて、
\det( {}^t\! A) = \det(A)
行列の積の行列式
正則行列A, Bについて、
\det(AB) = \det(A)\det(B)
逆行列の行列式
Aが正則行列ならば、
\det(A^{-1}) = \det(A)^{-1}
\det(A) \ne 0
余因子
正方行列Aの小行列式M_{i,j}は、Aのi行目とj列目を取り除いて得られる小行列の行列式である。
余因子\tilde{a}_{i,j}はM_{i,j}に(-1)^{i+j}を掛けて得られる。
\tilde{a}_{i,j} = (-1)^{i+j} M_{i,j}
余因子行列
余因子行列とは、(i,j)成分が\tilde{a}_{j,i}となっているn次正方行列のことである。
逆行列の明示公式
正則行列Aについて、
A^{-1} = \frac{1}{\det(A)}\tilde{A}
\tilde{A}はAの余因子行列である。
2次正方行列の逆行列
A = \begin{pmatrix}
a & b \\
c & d
\end{pmatrix}
の逆行列は、\det(A) \ne 0のとき存在して、
A^{-1} = \frac{1}{\det(A)}\begin{pmatrix}
d & -b \\
-c & a
\end{pmatrix}
正則行列と逆行列
正則行列Aに対して、XA = AX = Eを満たす正方行列Xが存在するとき、Aは正則行列であるといい、XはAの逆行列と呼ぶ。
正則行列の性質
1. 正則行列A, Bについて、
(AB)^{-1} = B^{-1} A^{-1}
2. 正則行列Aについて、
(A^{-1})^{-1} = A