行列

2022.7.10
Math

行列式の明示公式

n次正方行列Aについて、

\det(A) = \sum_{\sigma \in S_n} (\rm{sgn}\ \sigma) \prod_{i=1}^{n} a_{\sigma (i), i}

S_nは置換群であり、n文字の置換全体を表す。

2次正方行列の行列式

\begin{vmatrix} a & b \\ c & d \end{vmatrix} = ad - bc

3次正方行列の行列式

\begin{vmatrix} a & b & c \\ d & e & f \\ g & h & i \\ \end{vmatrix} = aei + bfg + cdh - ceg - bdi - afh

転置行列の行列式

正方行列Aについて、

\det( {}^t\! A) = \det(A)

行列の積の行列式

正則行列A, Bについて、

\det(AB) = \det(A)\det(B)

逆行列の行列式

Aが正則行列ならば、

\det(A^{-1}) = \det(A)^{-1}
\det(A) \ne 0

余因子

正方行列Aの小行列式M_{i,j}は、Ai行目とj列目を取り除いて得られる小行列の行列式である。

余因子\tilde{a}_{i,j}M_{i,j}(-1)^{i+j}を掛けて得られる。

\tilde{a}_{i,j} = (-1)^{i+j} M_{i,j}

余因子行列

余因子行列とは、(i,j)成分が\tilde{a}_{j,i}となっているn次正方行列のことである。

逆行列の明示公式

正則行列Aについて、

A^{-1} = \frac{1}{\det(A)}\tilde{A}

\tilde{A}Aの余因子行列である。

2次正方行列の逆行列

A = \begin{pmatrix} a & b \\ c & d \end{pmatrix}

の逆行列は、\det(A) \ne 0のとき存在して、

A^{-1} = \frac{1}{\det(A)}\begin{pmatrix} d & -b \\ -c & a \end{pmatrix}

正則行列と逆行列

正則行列Aに対して、XA = AX = Eを満たす正方行列Xが存在するとき、Aは正則行列であるといい、XAの逆行列と呼ぶ。

正則行列の性質

1. 正則行列A, Bについて、

(AB)^{-1} = B^{-1} A^{-1}

2. 正則行列Aについて、

(A^{-1})^{-1} = A