二項関係

2022.7.2
Math

関係の定義

集合Aから集合Bへの二項関係Rは、A \times Bの部分集合である。

(x, y) \in Rのとき、xyはR-関係にあるといい、

x\ R\ y

と書く。

全体関係/空関係

A上の関係において、R = A \times Aを全体関係と呼び、R = \emptysetを空関係と呼ぶ。

逆関係

AからBへの関係Rの逆関係R^{-1}とは、BからAへの関係であり、以下のように定義される。

R^{-1} = \{(y, x) | (x, y) \in R\}

また、次が成り立つ。

x\ R\ y \iff y\ R^{-1}\ x

関係の合成

RAからBへの関係、SBからCへの関係とすると、RSの合成とは、

R \circ S = \{(x, z) \in A \times C\ |\ \exists y \in B (x\ R\ y \land y\ S\ z)\}

のこと。上記のR \circ SS \circ Rと書く場合がある。

結合法則が成り立つ。

(R \circ S) \circ T = R \circ (S \circ T)

関係の性質

RA上の関係とする。

反射性

任意のx \in Aについてx\ R\ xであるとき、Rは反射的である。

対称性

任意のx, y \in Aについてx\ R\ yならばy\ R\ xであるとき、Rは対称的である。

反対称性

任意のx, y \in Aについてx\ R\ yかつy\ R\ xならばx = yであるとき、Rは反対称的である。

推移性

任意のx, y, z \in Aについてx\ R\ yかつy\ R\ zならばx\ R\ zであるとき、Rは推移的である。

同値関係

関係が反射的、対称的、推移的であるとき、その関係は同値関係であるという。

同値類

Rを集合A上の同値関係とする。Aの要素aの同値類とは、a\ R\ xとなる全てのxからなる集合のことである。

[a] = \{x \in A\ |\ a\ R\ x\}

商集合

Rを集合A上の同値関係とする。Rで定まる全ての同値類からなる集合をRによるAの商集合という。

A / R = \{[x] \subset A\ |\ x \in A\}