私がTwitterを辞めた理由

#40
2022.8.22

今日、Twitterをやめた。というのも、なんとなく辞めたのではなくて、Twitterを使うことによる悪影響があまりにも大きすぎることに気付かされたからだ。ということで、私がTwitterをやめることを決断するに至った理由を書いてみようと思う。

Twitterを辞めた理由

理由1. オフにできない通知

これは私がTwitterを辞めた理由の中でも最も些細なものだ。ここ最近の話ではあるのだが、Twitterを使っていると、"Recent Tweet from 〜"といった具合に、ユーザーが興味ありそうなツイートを通知で知らせてくるのである。

私にとっては、これが本当に苛立たしかった。そこまで興味のないツイートを無理やり通知でユーザーにごり押してくるのはどうかと思う。実は、これらの通知はTweetDeckでは表示されず、twitter.com上でのみ表示されるのだが、Twitterを使っている以上は、twitter.comを開く機会が多いのだから、TweetDeckで表示されようがされまいが大した違いはない。

この通知をオフにできないかと、設定欄を見たり、調べたりしたのだが、どうやらオフにできないようだった。オフにできたとしても、その設定がオプトアウトな時点で問題の本質は変わらない。

理由2. ツイート表示アルゴリズム

ツイートが表示されるアルゴリズムは、当然非公開であり私たちが知ることはできない。すなわちあるツイートが、どのような過程でそこに表示されたのか、私たちが知る術はない。そしてこれは、Twitterに限った話ではない。

表示されるコンテンツがパーソナライズされることについて、私は強い忌避感を覚える。というのも、こうしたアルゴリズムによって、情報をより受動的に取得するようになってしまうからだ。私はもっと能動的に情報を取得する、つまり自分の意志で情報を取りに行きたいのだ。

理由3. ビジネスの場所と化している

たくさんのユーザーがいるTwitterは、企業や個人がビジネスをする上で格好の場所である。Twitter上でたくさんのユーザーを惹きつけることができれば、ビジネスの成功に繋がる。ゆえに、Twitterではリツイート数やフォロワー数の多さは客観的なアドバンテージになり、バズることは儲けに繋がる。

つまりTwitterは、もはや趣味のための場所ではない。私はTwitterでビジネスがしたいのではなく、趣味でやっているだけであるから、ビジネスの場所となったTwitterにこれ以上いる理由はない。Twitterは趣味のための居心地の良い場所ではない。勿論、ビジネスをすることだけを目的としているならば、活用すべきなのであろうが。

理由4. インターネットはもっと自由である

インターネット上の人々を見ていると、かなりの割合でTwitterをやっていて、Twitterをやっていないという人の方が少なく感じる。それだけ多くの人間がTwitterのアカウントを持っている。だから、誰かがインターネットにいる ≒ Twitterにいる、というふうに考えたり、Twitterで呟くことが、その人の存在証明であるのだと感じている人は少なくないのではないか。でも実際にはそうではないはずである。他のサイトにしかアカウントを持っていない人だって沢山いるのである。Twitterを見続けてしまうことは、それらの人々から目を逸らし続けることを意味する。

つまり、Twitterを見続けることは、一企業であるTwitterがインターネットを牛耳ることに加担することを意味する。Twitter一辺倒になるよりは、一昔前のように個々がウェブサイトを運営している方が、独立性と自由さがあると言えるのではないか。

Twitterは当然営利を目的としているのであり、そこに自由はほとんどない。ツイートを取得するにも、制約の強いAPIを使用する他ないのである。

理由5. 必要な情報はそんなにない

果たして、Twitterにはそこに費やす時間分の価値の情報はあるのだろうか。ここでいう情報の価値とは、主観的なものであって客観的なものではない。少なくとも私は否であると感じる。Twitterの特徴の一つはその即時性だが、ではそういった即時性のある情報で自分にとって価値のある情報が、どれだけあるのか。確かに、災害時などの緊急性の高い場合には、Twitterのようなメディアには優位性がある。しかし、日常的にそういった即時性の高い情報が役立つのだろうか。私はそうは思わない。

また、インスタントな情報を好むことへの危惧もある。Twitterには長期的な喜びではなく、とても短期的(= インスタント)な喜びがあるコンテンツが多いように感じる。私は短期的な喜びを摂取することを完全に否定する気はないが、そうしたコンテンツばかりを好むようになれば、即座に喜びを感じられないコンテンツに対する耐性が無くなっていくだろう。これはTwitterに限った話ではない。

Twitterは「今」を色濃く反映したメディアである。逆にいえば、過去に起きたことはあまり話題として取り沙汰されない。そして自分にとって大事な情報は、必ずしも今起きていることではない。今起きていることを学ぶとしても、ノイズの多いTwitterで学ぶ必要は少なく、過去のことを学ぶ場所としては全く適さない。

Twitterを使う理由

辞める理由だけではなくて、Twitterを使う利点についても考えてみた。Twitterを使う唯一にして究極の利点は、みんなが使っていること、であろう。人によっては、この利点があらゆる欠点を凌駕すると感じるだろう。私がTwitterを使い始めたのも、自分が知っている人が使っているから、という理由だったと思う。知っている人が誰もいなかったならば、使い始めることはなかったかもしれない。

結論

いろいろ思案した結果、Twitterは私の大切な時間を費やす価値のある代物ではないのだと断言できる。これらの理由を凌駕するほどの十二分な動機がない限りは、今後私がTwitterを使うことはないだろう。

今後

今後私がTwitterのようなソーシャルメディアを使うかどうかは未定。もしかしたらMastodonなどのActivityPub系のソーシャルメディアを使うかもしれない。ActivityPubを実装したソーシャルメディアを自作することも技術的には可能ではあるが、そこまでする意義があるだろうか。

Mastodonであればきっと、上記に挙げた理由1から4までの問題は解決されるだろう。ソースコードは公開されているし、ビジネスをする場所としてはそれほど成熟していないし、何より自由である。私の心情として、Twitterというプロプライエタリな場所に時間を費やすよりは、Mastodonのような自由でオープンな場所で時間を過ごしたいと思うのは必然なのである。

ひとまず、mstdn.jpでアカウントを作ってみた。使うかどうかは未定であるが。適当に呟く場所として、Twitterほどの窮屈さはないと思われる。@k0michi@mstdn.jp