2年間書き続けてきた日記をやめた

#34
2022.8.5

私はかれこれ約2年ほど、PC上で日記をほぼ毎日書き続けてきました。ここでいう日記といは、非公開で誰にも見せないもののことで、Web上のものではありません。これだけずっと続けてきた日記ではあるのですが、今日でやめることにしました。

まず私の日記の書き方のスタイルについて紹介しておきましょう。最初期は、一枚の.txtファイルに日付を書き、文章を書く、というスタイルでした。しかし一つのファイルであったので、次第に使い勝手が悪くなり、一日一枚用意する、というスタイルに移行しました。

Plain Textで日記を書く、というのは結構私にとっては都合が良かったのです。どのプラットフォームでも簡単に読み書きができるので。しかし、Plain Textには限界があります。そもそも、この方法では画像を文章に含めることができません。また、リンクを含めるとしても、定まったフォーマットがなく、記述が曖昧でした。

最終的に私は、XMLベースの汎用的な文章マークアップに移行することを試みました。この時点で、かなりシステムが複雑化してしまったのです。

軌跡

私が日記を書き始めたのは、2020年8月30日のことでした。それは私が遠出をした日で、その日の素敵な記憶を残そうと始めたのでした。始めた当初は毎日書いていたわけではないのですが、2021年に入ってからは毎日書き続けていました。

それ以来、私の人生に起きたドラマの一部始終を書き続けてきたのです。しかし、それは昨日で最後にすることとしました。始めてから705日、文字数は1,108,831字にのぼります。

日記に書いていたこと

もしかしたら私が書いてきたものを日記と呼ぶのは正しくないのかもしれません。なぜなら私は、日記帳にあらゆることを書いてきたからです。日々の出来事や感情はもちろんですが、読んだ記事、本、Webサイトや見た動画、映画の記録、出会った言葉、アイデア、勉強メモ、等々、本当にさまざまです。

では私がなぜ日記を書くことをやめるのか。代表的な理由は4つあります。

理由1: 生産性のなさ

誰にも見せない日記というのは、あくまで自己満足的なものであって、それによる生産というのは発生しません。故に生産性などありません。むしろ、日記は消費を加速させると私は思います。

当然、日記を書くことが間接的に生産活動に結びついていることはありました。しかし、最近ではそれが徐々に減ってきていると感じます。日記を書くこと自体が目的化しているのです。たくさん文章を書いて自己満足しているのは、無益に感じられるのです。

理由2: 日記を維持するコスト

最初のうちは、テキストファイルに単に文章を書くだけで満足していたのですが、一日ひとつのファイルを作るようになってからは、日記のフォーマットを考えたり、日記の文章を処理するプログラムを作ったりなど、管理は大袈裟なものとなっていきました。単純に何百ものファイルを管理することが重荷になってしまいました。

さらに、XML化というのが維持するコストを増大させました。XMLであれば文章構造を自分で定義できるので拡張性ある一方、それのためのプログラムをも自分で作って管理する必要があり、これが相当な労力を要するのです。

理由3: エネルギーの無駄遣い

日記を始めた当初はそうでもなかったのですが、徐々に自分の感情をたくさん書くようになりました。そして時には感情を発散するために日記を書いたりしていました。次第に、これはただ感情とエネルギーを非生産的なことに費やしているだけではないかと思うようになりました。

負の感情を、非生産的な日記よりも、他の生産的な活動へのやる気に費やしたいと思うのです。

理由4: 目的を見失ったこと

徐々に私は、日記を書くことの目的を見失っていきました。当初は、楽しい瞬間を残しておきたいという理由で書いていたのですが、次第にその目的は薄れていき、目的なしになんでもかんでも書くようになってしまいました。先ほど挙げたのがその例です。いったいその記述の意義はどこにあるのかわからないことを大量に書いて時間を無駄にするようになってしまったのです。

確かに日記を書いて、それを後から見返す面白さ、というのはあります。しかし、目的のない記述が永遠と書かれていても、それに面白さは感じられません。

これから

ひとまず、私は一日一枚の日記帳をやめます。一日一枚というこだわりが、非常に厄介な問題を生み出していることは明らかでした。一日という枠があるので、そのページをある程度埋めようという、ある種の強迫観念みたいなものに支配されていました。

当然、日記を書くことで学んだこともあります。それは、書き起こすことの重要性です。考えていても、それを書き起こさなければ、いずれ忘れてしまいます。書き起こすことで、そのことを覚えている必要がなくなり、脳内を整理できます。それは書き起こすことの明確な利点だと私は考えています。ですから、私は何かを書く、ということはやめません。

そこで私は、最小限のメモができるシステムを作ろう、と考えています。また自分でシステムを作ると面倒ごとが起きるのではないかという心配はありますが、私に最もフィットする「書く」ためのシステムを追求したいという思いがあるのです。